事務所だより(2026年2月)

1.子ども・子育て支援金の徴収が始まります

国の「こども未来戦略『加速化プラン』」に基づき、子育て支援を拡充するための新たな財源として、「子ども・子育て支援金」が創設されます。

これは「子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律(令和6年法律第47号)」により定められた制度で、高齢者を含むすべての世代が、公的医療保険料とあわせて負担する仕組みです。

会社員については、令和8年4月分の保険料から徴収が開始され、実際の給与からの天引きは令和8年5月支給分からとなります。

この支援金は、すでに始まっている子育て支援策にも活用されています。

2025年4月からスタートした雇用保険の「出生後休業支援給付」や「育児時短就業給付」をはじめ、児童手当の拡充、親の就労の有無にかかわらず保育園を利用しやすくする

「こども誰でも通園制度」などがその代表例です。

今後も、子育てと就労の両立を後押しする施策の財源として位置づけられています。

負担額については、子ども家庭庁が公表した年収別推計によると、協会けんぽ・組合健保の被保険者一人当たりの月額負担は、年収200万円で192円、400万円で384円、

600万円で575円、800万円で767円、1,000万円で959円とされています。

もっとも、社会保障の歳出改革等を行うことで負担は相殺され、制度導入に伴う実質的な負担増は生じないと説明されています。

給与計算上は、新たな控除項目が増える形となるため、制度開始前に従業員へ概要を周知しておくことが重要です。

特に、給与明細の表示方法や控除額について質問を受ける可能性もあるため、事前に説明の機会を設けておくと安心です。

なお、育児休業期間中は医療保険料や厚生年金保険料と同様に、子ども・子育て支援金も免除されます。

制度の趣旨と実務への影響を整理し、円滑な対応につなげていきましょう。

2.協会けんぽの電子申請が始まります(2026年1月13日~) 

2026年1月13日から、協会けんぽに対する各種申請手続について、インターネットを利用した「電子申請サービス」が開始されます。

これにより、これまで郵送や窓口提出が中心であった協会けんぽ関係の手続について、パソコンやスマートフォンからオンラインで申請することが可能となります。

電子申請の対象となる主な手続きは、傷病手当金支給申請書や出産手当金支給申請書などの各種給付申請のほか、任意継続被保険者の取得手続きなどが予定されています。

申請にあたり、事業主による証明欄や医師の意見書等が必要な場合には、書類を撮影した画像データを添付して提出する形となります。

電子申請は、原則として被保険者本人が申請者となる仕組みです。

そのため、従来の紙申請のように、事業主が従業員から申請書を受け取り、まとめて提出する運用とは異なります。

なお、社会保険労務士が電子申請を行う場合には、被保険者からの委任状の提出が必要とされています。

電子申請を利用するためには、マイナンバーカードの取得およびマイナポータルアプリのインストールが必要です。また、サービスの利用時間は原則として

平日の午前8時から午後9時までとなっており、土日祝日や年末年始(12月29日~1月3日)は利用できません。

今後、電子申請の利用が進むことで、申請の流れや事業所内での対応方法が変わることが想定されます。

特に、従業員への案内方法や、申請状況の把握方法については、事前に整理しておくことが重要です。

申請漏れや対応遅れを防ぐためにも、早めに制度の概要を確認し、社内対応を検討しておきましょう。

詳しい内容や最新情報については、協会けんぽの公式ホームページをご確認ください。

https://www.kyoukaikenpo.or.jp/electronic_application/