事務所だより(2026年6月-②)

減給の制裁

就業規則の懲戒処分の中に減給を定めている会社も多いでしょうが、むやみに賃金をカットすることはできません。

労働基準法91条では、「就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、

1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはならない」

と定められています。

減給の制裁の対象となるのは、一旦請求権のある賃金として発生したものを制裁としてカットする場合です。

従って、欠勤による精皆勤手当の不支給や遅刻早退についてその時間分の控除は減給の制裁には該当しません。

ここでの「1回」とは、まとめて1回という考え方ではなく、1事案を意味すると考えられています。

遅刻1回も、多大な損失を発生させた交通事故1件も、1事案は1回ということになり、それぞれ減給の制裁は

平均賃金の1日分の半額までということになります。

この1事案ごとにという考え方から、複数の制裁事案の場合は0.5日分×複数回の減給制裁となり、遅刻3回ならば

0.5日分×3回=1.5日分を制裁カットできますから、遅刻3回で1日分の欠勤とみなしてカットすることも、

減給の制裁規定として定める場合ならば、法律上は問題ないということになります。

ただし、懲戒処分の有効性は減給事犯としての相当性を要しますが。

た、複数の制裁事案を合計した時の減給の総額が、1賃金支払期における賃金総額の10分の1を超えてしまった

場合には、その残額を翌月分から控除することができます。