事務所だより(2026年3月)
1.令和8年度の保険料率
まもなく4月に入り新しい年度が始まります。
令和8年度の労働・社会保険の保険料率の変更はあるのでしょうか。
結論から先に申し上げると変わる保険、変わらない保険があります。
各保険についてご説明いたします。
雇用保険の一般の事業の保険料率はこれまでの14.5/1,000(事業主負担が失業等給付等の5.5/1,000プラス雇用保険2事業の保険料率3.5/1,000の9/1,000、労働者負担が5.5/1,000)から
13.5/1,000(事業主負担が失業等給付等の5/1,000プラス雇用保険2事業の保険料率3.5/1,000の8.5/1,000、労働者負担が5/1,000)に変更される予定です。
これは失業等給付等充当徴収保険料率が1/1,000下がるためで、こうなると農林水産・清酒製造の事業の保険料率はこれまでの16.5/1,000から15.5/1,000、建設の事業の保険料率は
これまでの17.5/1,000から16.5/1,000に変更されることになると思われます。
労災保険料率は変更の予定はありません。
協会けんぽの健康保険の保険料率は都道府県単位で異なりますが、各都道府県の保険料率はまだ決まっていませんが都道府県の平均で10.0%から9.9%と0.1%引き下げの予定です。
介護保険料率は1.59%から1.62%の0.03%引き上げ予定です。
4月から子ども・子育て拠出金が開始されますが、拠出金率は0.23%になります。
予定、予定ばかりの記事になってしまいましたが、確定したらまたお知らせいたします。
2.交通機関の運賃改定と通勤手当
毎年3月中旬の土曜日に鉄道のダイヤ改正があります。
今年は3月14日です。ダイヤ改正により普段使っている電車の時刻に変更があるのはご承知かと思いますが、今年についてはJR東日本において運賃改定があります。
消費税の税率アップによる改定以外で運賃を上げるのはJR発足後初めてだそうです。
社会保険や労働保険の分野で鉄道運賃の改定は直接リンクしないようですが、鉄道運賃をもとに通勤手当を支給している会社は多いので事務上の手続きはでてきます。
通勤手当は社会保険の扱いで「固定的賃金」に位置付けられています。
固定的賃金があがり、それに引き続く3ヶ月間に社会保険対象の賃金の平均が社会保険料表2等級以上がると社会保険の随時改定(月額変更)に該当し、
社会保険料が上がるということになります。
今回の場合、同じ働きをしていたとしても運賃改定のある交通機関で通勤している人は上がる可能性があり、運賃改定のない交通機関で通勤している人はその可能性がないという
労働者側からすると公平なのかよくわからないこととなります。
最近は交通機関ごとに改定の時期がバラバラで、本人からの申告がないと気づかないこともありそうです。
何ヶ月も前に変わっていて、遡って上がった分の通勤手当を支給してほしいという申し出もありそうです。
また、最近は「リモートワーク」と「出社回帰」の両方の動きがあり、果たして通勤手当を従来通り支給することが実態に合った支給となっているか注目する必要があると感じます。
社会保険の随時改定の点検も面倒ですが、そもそも通勤手当の支給ルールや申告ルールの見直しをする必要があるかもしれません。
通勤手当は法的に支給しなければならないものではありませんが、特に支給減を伴うものですと労働条件の不利益変更となる場合もあるので慎重に対応していきたいものです。

